Skip to searchSkip to main content
小規模事業者サポーターズ
小規模事業者サポーターズ
Your Future Rule
研修・イベント /
第6回小規模事業者支援専門家ミーティング@仙台
/

第6回小規模事業者支援専門家ミーティング@仙台

もっと光を ~ ゲーテの「色彩論」の根底に流れる精神をもとに~

開催概要

日程:2025年4月11日(金)12時~17時

会場:宮城県仙台市 仙都会館

開催趣旨

「事業者の支援」というテーマは、全国至るところ、そして毎年何十回・何百回という研修会や勉強会、あるいは大規模なカンファレンスが開催されています。

ただ、それらの多くは「事業者がどのように成長したか」という点にフォーカスが当てられていて、支援スべき対象事業所の成長・成功に関するノウハウ・ツール・テクニックについての検討が大多数を占めています。


けれども、その成長を暗に明に下支えする「支援者」「専門家」がどのようなノウハウ・どのような知見を駆使してその事業の成長実現のサポートをしたか?について語られる場は、残念ながら非常に少ないのが現状だと思います。

支援をする側の専門家が獲得・習得すべき知見や技術は「事業の成功・成長」のための技術もさることながら、それ以上に「支援そのものに関する確固とした知見・技術」が必要で重要だと主催者は考えています。


支援の専門家は、どのような技術・知識・ノウハウを獲得し、どういう研鑽を積むべきなのか?という「支援をする立場の方にはっきりとフォーカスを当てたディスカッション」をしようじゃないか、というのがこのミーティングの開催主旨です。

研修会~事例発表

発表者: 矢村 弘道 さん

発表内容: 小規模事業者支援の実際 ~ディスカッション「ツールを使ってどう事業者と向き合い、コンサルティングする?」~

発表者: 岸本圭史

発表内容: フリートークディスカッション

 テーマ1. 小規模事業者の「稼ぎ」について考える

 テーマ2.  小規模事業者への支援による逆の弊害について考える

開催・参加実績

今回の参加者実績は以下のとおりです。

 地域人数会場参加オンライン参加ITC資格者支援機関・金融機関
行政等
 宮城県 651211(東北経済産業局)
東京都555
 神奈川県221
 埼玉県3212
 新潟県2112
静岡県111
岐阜県11
1
大阪府222
岡山県111
広島県111
島根県222
愛媛県111
 沖縄県111
合計 28 25 3 22 1 1

参加後アンケート(ご意見ご感想)

「初めての参加でしたが大変勉強になり沢山刺激を頂きました。ありがとうございました。機材や準備など岸本さんが一手に引き受けられているのかなと思い大変そうで次回は何かお手伝いできることがあればと思った次第です。次会の沖縄の会も行けたらいいのですが難しい場合はオンライン参加したいと11月の予定にはスケジューリングしました。今後とも宜しくお願い致します。」


「面白かったです。提案ですが、MC設けてもしくは岸本さんがMCで(笑)、オンライン側や現地の人にも振っていただけると話しやすいかもです。あと、現地の座席配置として、縦タイプではなくコの字などがよいのでは?それの方が議論になりやすそうですね」


「今回は残念ながら途中までしか視聴できませんでしたが、小規模事業者支援とは皆さんどういうことをされているのか貴重なお話を聞けて良かったです。特に実際の打合せの流れや、ツールのご紹介などを知ることができ非常に参考になりました。震災当時のお話を聞けたのも大きいです。」


「毎度いろいろと気付きを頂きました。」


「矢村さんの発表やその後の意見交換を通して、みんな同じようなことをやっているんだ、と知ることができました。また、改めて、企業の規模感に関係なく支援の基本は同じだな、とも感じました。ただ、企業の規模感というか成熟度に応じて、対応のやり方が異なるのだろうと(実際、私はそのようにしています)思いました。」


「自分もやってる手書きメモ使いを皆様もやっていらした事が衝撃的でした!最近メモからのchat GPTにまとめてもらったり、報告書はそれを使いかなり時短にできているのでそういう発表もしてみたいと思いました。」


「今後も一般的な研修の場ではなくデイスカッションの場として活動できれば良いなと思います。」


「今回は、DMPA(一般社団法人 中小企業デジタル経営推進機構)の組織設立発表の時間をいただきありがとうございました。普段「小規模コミュニティ」に参加してなくて、かつ現地参加だった方との交流が新鮮でした」


「積極的な意見交換が進められて大変参考になった。一方で、参加者数がこれ以上多くなると、一人ひとりが意見を言う機会が減ってしまう可能性があるため、分科会のような形を取るのも望ましいと思います。」


「参加者の方々の意識が高く、実り多い会合だったと感じました。岸本さんの負担は気がかりながら、定期開催を期待いたします。」


「大変刺激を受けました。セミナーのような一方的な知識の提供だけではなく(それはそれで私のようなペーペーには役に立つのですが)、参加者がしっかりと意見交換、ディスカッションができていたというのが非常に良かったです。これからもぜひ続けていっていただきたいです。」


「1)小規模な支援の具体的な実態について学べたこと、2)専門家同士のネットワーキングができたことが、とても有意義でした。岸本様には、主催頂いて、感謝しかありません。ありがとうございました。」


「大変参考になりました。しかし、オンライン参加でしたので、声が聞きづらかったり、画像や音声が止まったりするのが気になりました。」


「最新情報の共有。そして忌憚のない、自由闊達な意見交換がなされているようで、とても良い会合だと思いました。」


サブタイトル(テーマ)についての解説

~もっと光を ゲーテ「色彩論」に流れる精神をもとに~

ゲーテという名前をお聞きになったことがあるでしょうか?

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツ 1749年-1832年)・・・一般的には、18世紀のドイツの詩人・文豪としてのイメージが強いと思いますが、一方で、自然科学・哲学などにも精通した人物でもあります。

このゲーテの著作に「色彩論」という著書があります。色彩論は、その数十年前に物理学者ニュートンが著した「光学」という理論書に対する批判として著されました。

ゲーテは「色彩論」のなかで、「色という現象は、人間の知覚によって成立する現象である」として、ニュートンが光学で主張した「光はそれぞれ異なる波長を持つ粒子または波であり、色はその物理的な性質に由来する(つまり人間の知覚から離れ純然と客観的な物理現象として観察できる)」という考えを批判しました。ゲーテはニュートンの理論が「人間の主観というものをまったく排除し機械的な物理学の視点に偏りすぎており、色の本質を捉えていない」ことに大いに疑問を持ったのです。

ゲーテのこの主張は、古典物理学およびその後の科学の世界ではあまり重要視されずにニュートンの理論が正しいとされてきました。ただ、彼の主張の根底に流れる「現象は、知覚する観察者が介在することによって初めて現象として認識される」という考え、そして「光や色は、無味乾燥とした物理社会にぽつんと存在するのではなく、常に人間の営みとともに共生している」という精神は、20世紀の科学の進展によって、観察主体の影響が再評価をされることになり、また現代アートやデザイン・心理学の分野では重要な考え方として広く認知されています。


さて、小規模事業者支援という場に、突然こんな「色彩論」やら「量子物理学」やらを持ち込んだのには理由があります。


ゲーテの色彩論は「ミクロ経済学」と親和性が高い

ゲーテは、色が単なる光の波長の問題ではなく、人間の目が光と闇をどのように認識するかによって成立する、「観察主体と観察対象の相互の作用による現象つまり主観的な現象である」と唱えました。ニュートンの「光学」によって、物理学をはじめとする科学の世界では「観察対象が観察主体と完全に切り離され、独立した客観的な存在である」ことを前提とした発展が進んだのに対して、ゲーテの唱えた「主観的な現象」というのは、当時の科学的な見地からは受け入れられませんでした。けれども20世紀初頭の量子物理学の発展により「観測者が物理現象に影響を与える」という驚くべき事実が明らかになり、ゲーテの考えが間接的にではありますが、改めて評価される契機ともなりました。(ex.「スリット実験」「シュレーディンガーの猫」)

現象は認識するべき主体(つまり現象を捉える観測者)があってこそ初めて意味を持つ。

この考え方は現在の科学や哲学の世界では非常に重要な論点の一つとして扱われています。一方、これは経済学において「経済活動は単なる市場の動向・数字ではなく、個々の経済主体の意思決定によって形作られる」とするミクロ経済学の視点とも重なります。「色や現象は観察者の知覚なしには成立しない」のと同様に経済学でも「経済の実態は観察する主体によって異なる視点で捉えられる」という問題がありますが、中でもミクロ経済的思考の中核を占める「観察主体によって経済現象は異なる解釈をされる」という考え方に多くの共通点があります。「色」を「物理的特性(マクロ的視点)」ではなく「観察者の知覚や心理体験(ミクロ的視点)」に置くという点において、ゲーテの色彩論はミクロ経済学的視点であるとも言えます。


小規模事業者支援におけるミクロ視点の重要性

前述のように、個別具体的な個々の事業者が直面する課題を解決し、その事業者の成長を支えるのには、全国一律とか、業界内で一斉にとかいう画一的な手法ではまったく不十分です。

ここで必要になってくるのが、ゲーテが色彩論で唱えたことに考えに重なる、「個別の観察」に重点を置くミクロなアプローチです。

例えば

  • 事業者には、それぞれ個別の事業背景・成長フェーズがあります。これらを前提とした個別のコンサルティングが必須。

  • 地域特性や業界固有の特性、また事業者自身の有機的な人脈形成などにも、持続的な支援が必要になる場合が多い

  • 小規模であるがゆえの経営に対する不安や孤独感が背景となる、心理的な支援も実は非常に重要。

このように、「光学」的な「主体・個別現象から離れた客観的な理論」ではなく、「色彩論」的な「個々の現象への丁寧な観察・アプローチによる有機的な認識」を唱えたゲーテの考え・・・ミクロ経済的な個別の事業者・経営者の知覚・認識・心理を理解することに重点を置いたアプローチが、小規模事業者への支援では効果的であるということは、このミーティングの第0回から一貫して根底に流れているテーマでもありました。


もっと光を ~もっと事例を~

ゲーテはその臨終の場で「もっと光を」と語ったと言われています(定かではありません(^_^;))。

この「もっと光を」はいろいろな解釈がされていますが、その中でも特に多くの方に語られているのが「光と色の事を理解認識するためには、もっと多くの観察や体験が必要だ。」という「観察・知見へのあくなき探究心」の表れだというものです。


小規模事業者への支援もまさにこれだと主催者(岸本)は考えています。つまり

机上の理論や最先端の知識も良いが、大切なのは具体的な支援事例の共有と、支援者同士のディスカッションを通じた学びです。

これらを通じて、ご自分の知見に新たなノウハウや知らなかった事例を加えることは、ご参加いただいている支援専門家の皆さまそれぞれにとて、大きな価値のあることではないかと考えています。


そこで、今回も「もっと事例を」「もっとディスカッションを」というスタンスで、小規模事業者への支援を専門とする支援者のスキルアップを図るべく、喧々諤々、やりたいと思っています。