Skip to searchSkip to main content
小規模事業者サポーターズ
小規模事業者サポーターズ
Your Future Rule
研修・イベント /
第3回小規模事業者支援専門家ミーティング@福井
/

第3回小規模事業者支援専門家ミーティング@福井

分けても支援は分からない

~支援者たちはなぜ見誤るのか~

開催概要

日程:2023年10月20日(金)14時~18時

会場:福井県福井市 福井市地域交流プラザ601A会議室

開催趣旨

小規模事業者支援を業務にしている皆さまで集まって交流を深めましょうという趣旨で開催したミーティングです。普段は、全国各地で活躍されている皆様方なのでFacebookなどのSNSを中心にオンラインで情報交換・意見交換などのコミュニケーションを取られていることと思います。ただ、やはりリアルな場でお会いして話をしたり顔を合わせて情報交換するのは交流を深めるうえでとても意味のあることだと考えており、その「交流を深める」事を主目的として、一同に会してのミーティングを開催いたしました。


以下、開催時の案内資料より抜粋


【小規模事業者支援の専門家が本当に備えるべき知見とは?】

今回のミーティングでは、サブタイトルの解説の最後で書かせていただいた「事業全体への理解」「事業者本人に対する理解」と「全体最適を実現するための知見」について、大いにディスカッションしたいと考えました。


個別具体的なケースに対する手法・ノウハウなどを、知見として提供したり研修として提供する場は、このミーティングでなくても実に数多くあります。けれども、

  • そもそも、小規模事業者への支援とは、中小中堅以上の企業への支援とはどう異なるのか?

  • 事業全体への理解・事業者本人に対する理解を深めるためのノウハウとは?求められる能力とは?

  • 全体最適を実現するための知見を備えるためには、そもそもどんなスキルが必要なのか?

ということを大真面目にディスカッションし、共通理解をしようという場は、(私の知る限り)あまり多くない気がします。今回のミーティングの開催を通じて、ご参加いただく皆さまそれぞれに

  • 小規模事業者支援を実践する上で、自分が獲得すべき(=現在備えていない)スキル・ノウハウはなんなのか?

  • 専門家として支援を実践しなおかつ業として成り立つ(=十分稼げる)ためには、どんなスキル・ノウハウ・手法を獲得すれば良いのか?

を、個々ご自身で振り返る・自問するためのきっかけや、考える(&実践する)ための契機をご提供できれば、と、そんなことを主催者として(そして同時に一参加者として)考えている次第です。

研修会~事例発表~

事例発表者:庄司 敏浩さん

発表内容: 小規模事業者への支援事例(事業者との出会い~支援に至るまでの経緯も交えて)

発表者: 岸本 圭史

発表内容: 小規模事業者支援の専門家に求められるスキル・知見について

開催・参加実績

今回の参加者実績は以下の通りです。

 地域人数会場参加オンライン参加IT資格者支援機関・金融機関行政等
 福井県 6 6 6
 茨城県 1 1 1 1(常陽銀行)
 東京都3 3 3
 埼玉県222
 千葉県111
 神奈川県111
 新潟県111
 静岡県111
 大阪府111
岡山県111
広島県11 1
島根県222
合計21192 21 1

サブタイトル(テーマ)についての解説

「分けても世界は分からない~科学者たちはなぜ見誤るのか」・・・生物学者福岡伸一氏の著書(2008年 講談社現代新書)のタイトルを捩らせて頂いたものです。この書は、人の体、人が生きるということを「細胞」「生物」という科学的見地・観点から捉えた場合の様々な「不思議」をミステリーのように(けれどもきちんとした生物学の科学的根拠を元に)解説している、小説のような科学解説書のような不思議な魅力の著作です。
福岡伸一氏の著作や主張・言動には、様々な評価があります。(主催者も、その点は以前から明確に認識しています)

ここでサブタイトルとして取り上げた目的は、福岡伸一氏の言説を全面的に支持する・賛同するということを表明するためではなく、あくまで「小規模事業者への支援を専門家として考える」「小規模事業者への支援を実りあるモノにする」ために、専門家として何をどう考え、どういうことに留意し、どんな努力をするべきなのか?について、論点を整理するための「比喩」として理解を促すため、です。

今回に限らずこの専門家ミーティングでは、個別具体的な「技術」「ノウハウ」よりも、「あるべき支援の姿」「あるべき専門家の姿・能力・スタンス」について、共通理解を深められれば、ということを目論んでいます。
そのための「喩え」として比較しやすいと思い、考える題材として例示したということをご理解いただければ幸いです。

さて、それでその「サブタイトル」と「小規模事業者支援」についての関連性ですが・・・

【「分ける」ことの弊害】

ご紹介した著書の中で福岡氏は度々「細胞一つ一つを詳しく研究しても生命がそもそもなぜ命を宿しているのかは分からない」「一個の生物はソレを構成する異なる種類の細胞(異なるパーツ)の集合体だとは解釈できない」という趣旨の解説を展開します。

「個別の細胞の機能や詳細について詳しく研究を進めようとする。それは個別の研究分野としては進歩となり得るが、対象全体(生物そのもの)に対する理解をむしろ妨げる可能性がある」。そのことを明示的に暗示的に、著書の中で表現しています。そして、それにも関わらず科学者は依然として「個別のテーマだけを切り出してきて詳細な深掘りをすることが科学の責務で成果だと信じて疑わない」


小規模事業者の「支援」もこの話に絶妙にリンクします。


支援専門家の多くは、個別のテーマに切り分けて特定分野だけを深掘りしようとします。それは「個別テーマの支援」としては成立しますが、小規模事業者の事業全体の支援としてはむしろ逆効果で成立しないことが多々あります。小規模事業者の営む事業・商売を「財務」「労務」「フロントエンド」「バックエンド」のように異なる機能・分野に分けて一つ一つ分析・支援しても、多くの場合(というか圧倒的多数のケースで)小規模事業者への支援としては成立しません。むしろ全体としての経営の成長や維持あるいは事業者の思いを妨げる可能性があります。


けれども、現実問題として眼の前にある「個別具体的なテーマ」に対する結論や方法論を追求しないことには、具体的な研究成果・支援成果になりにくいので、やはり実際には科学者も、専門家も、個別のテーマについて深掘りをします。

【全体と部分・分析と総合】

話のフォーカスを福岡氏の著作との比較から「支援専門家」へ移しましょう。小規模事業者支援は、現実の支援の際には、もちろん「個別具体的なテーマについての支援」を行います。個別具体的なテーマとは例えば「財務会計・資金繰り」「販路開拓・Webマーケティング」「バックオフィスの標準化」「事業承継」「全体のデジタル化」など比較的大きなものもあれば、「クラウド会計の導入」「POSレジ導入」「就業規則の改正」「従業員へのデジタル化トレーニング」など具体的に内容の絞られたものもあります。けれども、上記のような支援テーマは「小規模事業者の事業経営全体」から比較するとどれも「部分的」なものでしかありません。

ところで、私がこのミーティングやそれ以前の交流などから存じ上げている「小規模事業者支援の専門家」(=実際に成果を上げていて、なおかつきちんと業として成り立たせている方)の皆さまのお話をお伺いしたり研修で勉強させていただいたりした限りでは、彼らにはある共通点がありました。それは

  1. 個別具体的な支援テーマについては(当然ですが)、支援成果を上げるための十分な知見と能力が備わっている
  2. そもそも1.以前に、当該個別テーマだけでなく、経営そのもの・事業経営者本人への総合的な支援ができているというものでした。

私自身がこれらの学び・気付きから得たのは、明確な以下のようなノウハウでした。

(とりわけ)小規模事業者支援は、事業全体・事業経営者本人への十分な理解と、全体最適を実現するための知見を備えているという前提の上で、個別具体的なテーマについて実践できる必要がある。